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最新情報・10年前との比較

税金の負担−10年間でこう変わった

  平成19年から個人が負担する所得税と住民税の税率が変更になりました。その他にも定率減税の廃

 止や所得控除の縮小などの変更が、数年前から行われてきています。また、会社が負担する法人税、

 地方税は、すでに減税措置がとられています。そこで、税金の負担について、10年前(平成9年)と比較

 してみました。    

●税金の負担額
1.個人(所得税+住民税)
課税所得  平成9年 平成19年  増減
100万円   15万円   15万円   0
500万円  107万円  107万円 +2500円
1000万円  282万円  276万円 −6万円
5000万円 2620万円 2220万円 −382万
1億円 5852万円 4720万円 −1132万
         ※端数は四捨五入

所得控除の変更(老年者控除の廃止など)その他の原因で、課税所得自体が増加することがある。

高額所得者の税金が減少しているのは、最高税率が65%から50%に減少したため。

2.法人(法人税+法人地方税)
中小企業の場合                端数四捨五入 
課税所得 平成9年 平成19年 増減
 100万円  39万円  31万円 −8万円
1000万円 439万円 345万円 −94万円
5000万円 2679万円 2137万円 −542万円
大企業の場合                 端数四捨五入 
課税所得 平成9年 平成19年 増減
 1億円 5599万円 4479万円 −1120万円
10億円 55,990万 44,790万 −11,200万
法人税、地方税合わせて約10%減税されている。 
●具体例
1.サラリーマン 年収600万円、配偶者と子供2人を扶養

 平成9年分   所得税+住民税 259,900円

 平成19年分  所得税+住民税 307,600円     

2.年金生活者 70歳 年収300万円、70歳の配偶者を扶養

 平成9年分  所得税+住民税    なし

 平成19年分 所得税+住民税  129,700円

税負担が生じたのは、年金所得の計算方法の変更、老年者控除の廃止などの影響による 

●減税?増税?

 課税所得に対する税金の額を比較すると、全体的に減税されているように見えますが、「所得控除」

などの縮小によって、同じ収入でも課税所得自体が増加したため、低所得者については実質増税になっています。さらに、健康保険・年金の保険料が増加し、医療を受ける際の自己負担割合も増加したことで、いわゆる「中流」以下の世帯では、この10年で税金や社会保障の負担がかなり重くなってきたと言えるでしょう。

 一方高額所得者は、減税の恩恵を受けて財産を増やした上、その財産を株や不動産の取引にまわせば、ここでも優遇税制によって税負担が少なくなります。こうして蓄えた財産を遺して死亡した場合にかかる相続税も、この10年の間にかなり減税になりました。

 こうしてみると、世の中の「格差」を税制が助長しているように思えるのですが…  

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