課税所得に対する税金の額を比較すると、全体的に減税されているように見えますが、「所得控除」
などの縮小によって、同じ収入でも課税所得自体が増加したため、低所得者については実質増税になっています。さらに、健康保険・年金の保険料が増加し、医療を受ける際の自己負担割合も増加したことで、いわゆる「中流」以下の世帯では、この10年で税金や社会保障の負担がかなり重くなってきたと言えるでしょう。
一方高額所得者は、減税の恩恵を受けて財産を増やした上、その財産を株や不動産の取引にまわせば、ここでも優遇税制によって税負担が少なくなります。こうして蓄えた財産を遺して死亡した場合にかかる相続税も、この10年の間にかなり減税になりました。
こうしてみると、世の中の「格差」を税制が助長しているように思えるのですが… |